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Introduction/Syuichi MIYAWAKI

Manifesto/Masahiko ASANO

about "Wonder Showcase"

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■アーティスト解説  
 「要はロリータ(ロリコン)物でしょ?」
 “ちびすけマシーン”がこれまで手掛けてきた――そしてこの先も手掛け続けていくであろう作品群を、そうした表現のベクトルを毛嫌いする(フラットな審美眼を欠く)輩は、このひとことでいとも簡単に片付けようとする。
 確かに、ロリータ物という分類自体はまったくもって正しく、どう考えても否定する余地などない。ただし、ちびすけマシーンの評価軸は、ロリータうんぬんといった“ジャンル”のなかに存在しているわけではない。彼の才能で注目すべき点、評価されるべき点は、「その作品や方法論のセンス&クオリティが、ガレージキット以外の表現分野でも充分成立し得る」ことにあるのだ。
 言ってしまえば、ちびすけマシーンは「ガレージキットの世界でなければ生きていくことができない」というようなタイプの人材ではない。それこそ美少女コミックの世界でマンガ家やイラストレーターとして食べていくこともできるだろうし、女玩(少女向けトイ)やコスプレ服飾のような世界でコンセプトデザイナーを目指すことも可能だろう。それなのに彼は、自分の才能を表現する手段や場として、あえてガレージキットやワンフェスという世界を選択したのだ。
 「造形以外に取り柄がないから」ではなく、「造形も嫌いじゃないから」という新たなスタイル。さらに、その造形がまた「造形以外に取り柄がない」と語る人以上に上手い、という決定的事実。作風こそ対極だが、竹谷隆之氏と並ぶ“ガレージキットシーンが胸を張って外の世界へ送り出すことができる才能”、その数少ないひとりがちびすけマシーンなのではないだろうか?
text by Masahiko ASANO

プロフィール

1972年12月19日生まれ。生まれて初めて作ったプラスチックモデルはアオシマの『合体カウンタック』(の先っちょのマシン)、ワンフェスには'96年冬から参加。東京造形大学在学中から創作活動に従事し、'98年冬のワンフェスに同人活動としての集大成作『NYAN NYAN STRIKER !』を発表、創作系ガレージキットファンのあいだで話題を呼ぶ。以降、'98年夏には幼女コスチュームコラボ『LOLITA ENGINE』、'99年冬にはかぼちゃパンツファッションショー『PUMPKIN BALL』……と、いわゆるロリータ系を基本に据えつつも新作を発表するたびに芸風を転々と変え、固定ファンを煙に巻き続けている。リスペクトする作家は、童画・児童小説のいわさきちひろ、灰谷健次郎を原点とし、椎名林檎、川本真琴、荒木元太郎、バサロキックetc.といったあたり。現在は「仲間と“かわいいモノ系ブランド”を立ち上げるのが夢。っていうか準備中」とのこと。


ちびすけマシーンからのコメント
 ぼくがまだちいさい頃の話です。
 ぼくの親父が「おもちゃ作ってやるからなー!」と張り切って、しっぽを押すと口が開く針金製のカバさんを作ってくれました。
 親父は材料といっしょに自分の足も切ってしまったので、ちょっとレッドなヒポポタマスになりました。どきどきしながらそのカバ君に粘土で作ったキャベツなどを餌付けしていると、いきなりカバ君はむせ返り、なんと口から白い煙のようなものを吐き、みるみるそれは人のかたちになったのです。
「私は造形の神様。おまえはこれから、造形の道を歩むのじゃ」「なんでぇ?」「なんとなくぅ」
 それ以来、ぼくが望むと望まざるとに関わらず、ぼくの人生はいつも造形と共にあるわけです。
 ぼくもモノ造りはわりと好きなので、それなりに楽しんでいます。
 ただ、この造形の神様はけっこう曲者でして、造形以外のことに関してはまったく役立たずで、お金はたまらないし女の子にはモテないしと、あまりいいことがないです。なんとかしてよ。
「おまえもそろそろ、自分探しの造形は卒業する時期かのー」「そんなことよりおいしいものでも食わしてくださいよ」
 自分がほんとうにやるべきことがモノ造りなのかどうか、それはまだわからないけど、手応えもあるし仲間もできたし、もうしばらく続けてみようかなー、とエポキシパテを練る今日この頃です



■『ワンダーショウケース』販売作品解説

 

W ナイチンゲール
ノンスケール[25cmサイズ]
/レジンキャストキット
(C) CHIBISUKE MACHINE 1999

商品販売価格
一般小売価格/8000円(税別)


 コンセプトワークと最終的なフィニッシュワークはアーティスト自身の手による創作キャラクターですが、キャラクターを創造していくうえでの元となったデザイン画(コスチュームデザイン)は、ちびすけマシーンが所属するサークル“東京G・0(ジー・ゼロ)”のスタッフであるMOMOE・M女史が担当。「女のコにも買ってほしいから、組み立ての手間を軽減したい」というちびすけマシーンたっての希望もあり、頭の先からつま先までパーツ分割一切なしの、一体成形状態でのモデルとなっています。



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