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海洋堂によるフィギュア製品の開発記や広告・商品リリースでは伝えきれない薦めポイント、最新情報&裏話をチラリとお見せする号外コーナー
可動する生物フィギュアをテーマにした新シリーズ「リボジオ」。
第1弾となるダイオウサソリのサンプルレビューをいち早くお届けします!
造形総指揮にあたる松村しのぶをはじめとした原型師による、精密な観察眼と生命の躍動を切り取るセンス。そこに「リボルテック」シリーズで積み重ねてきたノウハウを合わせて、海洋堂ならではのリアルかつ動かして楽しい生物フィギュアが誕生!
大きな鋏、そして何より毒針を備えた尻尾というスタイルが刺激的なサソリが、その第1弾に選ばれました。
サソリの中でも、最大級となるダイオウサソリ。リボジオでは手のひらに乗りきらない迫力サイズで立体化しています!
実際のダイオウサソリで最大のものは、全長(頭胸部先端から伸ばした尾の先まで)20~30センチといわれているので、これをほぼ1/1サイズで再現した形です。
教材としても使えるレベルで作り込まれた、ダイオウサソリの各部を見ていきましょう。
まずは力強い鋏! 正式には触肢といいます。
円盤状の平たい形状がダイオウサソリの触肢の特徴で、ゴツゴツとした表面のディテールに、微妙な色の変化も塗装表現されています。
触肢の間にあるのが、鋏角と呼ばれる顎部分。その名の通り、小さな1対の鋏になっているんですね。
こんな細部の意外な作りも、じっくりと観察することができます。
頭と胸が一体になった「頭胸部」の上面を守る、頑丈な背甲。その中央には、上を見るための「中眼」が一対あります。
4対の歩脚からは、サソリが蜘蛛にちかい仲間であることがよくわかりますね。
細い歩脚は造形と強度、遊びやすさなどを考慮して、あえて無可動となっています。
胴体をひっくり返した裏側も、複雑な構造を造形で完全再現。昆虫などが苦手な人には、ちょっとキツイかもしれません(笑)。
上の写真中央に見える細かい櫛の歯のような形をした「櫛状板」は、サソリだけにある独自の器官だそうで、感覚器の一種と考えられています。
丸く膨らんだ「前腹部」。
可動のためにジョイントを内蔵して蛇腹状に分割されていますが、この通りほとんど分割が目立たないようになっています。
そしていわゆるサソリの尾といわれるのが細い「後腹部」で、その先端には鋭い毒針を備えた「尾節」が!
3ヵ所にリボルバージョイントを使用しながら、節ごとのメリハリのある形状などが再現されています。
次は可動についてチェックしていきましょう。
「リボジオ」では生物造形の美しさと可動による躍動感を両立するため、必ずしもフル可動を謳ってはいません。
しかし、「サソリらしい魅力的なポーズ」が手軽に表現できるように、限定した可動を的確なポイントに盛り込んでいます。
例えば、獲物を捕らえるために左右に鋏を広げて迫る姿勢。
ポーズのキモになる触肢には、鋏の開閉と腕の付け根の2か所に可動ジョイントを使用。
鋏を左右に広げたり、振り上げたりと、幅広い動きが可能になっています。
さらに、捕らえた獲物を口元に運ぶように、触肢をコンパクトに畳んだ姿勢もとれるのが大きなポイント!
サソリの生態を表現することを目指した可動範囲なのです。
そしてサソリの狩りに重要なのが、捕らえた獲物をしとめる毒針の一刺し!
尾節が鋏の手元に届くように、3つのジョイントを内蔵した後腹部に加えて、前腹部もダイナミックに可動するようになっています。
歩脚をあえて無可動にしたのは、こういった姿勢での安定性を優先したためでもあるんです。
また、今後のシリーズではモチーフによって、造形と可動の優先度のバランスもそのつど変わっていくことになります。
リボジオ専用パーツによる独自の可動なども検討されているとのことなので、ご注目ください。
さて、ここまで「リボジオ」の真面目な魅力を中心に紹介してきましたが……
サンゴ―アクションソルジャー(ミニ兵士)と並べれば、とたんに特撮映画に登場する巨大生物に!!
タケヤ式自在置物の甲冑と戦わせると、ファンタジーRPGでおなじみ大サソリのモンスターに!!
サソリのキャラの立った姿は、物語の世界でも様々な形で登場しているので、想像を広げて遊ぶのにもじつに向いていますね。
学術的な視点で見られるディスプレイとしても、楽しく遊べる可動フィギュアとしても、幅広く楽しんでいただける新シリーズ。
第1弾「リボジオ ダイオウサソリ」は2月発売予定となっています!
今後のラインナップには、すでにイベント展示にも登場した「アカテガニ」などの甲殻類・昆虫など節足動物のほか、対象を広げて恐竜骨格なども開発中。
地球の全生命を立体化対象に据えて展開する「リボジオ」の広がりをお楽しみに!!
-構成・文・写真/ TAC☆-
■仕様:PVC&ABS製塗装済み完成品
■可動設計:大津敦哉