二曲一双の屏風に描かれた風神雷神図は、17世紀江戸時代初頭の京都で活動していた俵屋宗達によるもの。
実物は各縦154.5cm×横169.8cm。金箔貼りの屏風の余白をも活かして、自然の力を象徴する神が天空から舞い降りる様子を闊達に描き出しています。
農耕民族である日本人にとって、大いなる恵みと、ときには被害をもたらす脅威でもある風と雨。そんな大自然の力に対する畏怖を恐ろしげな鬼として形にしている一方で、ギョロリとした目に歯を剥いた表情、でっぷりとした体躯がどこかユーモラスで親しみさえ感じさせるのは、神を常に身近なものとしてきた日本人独特の肌感覚によるものといえるでしょう。
海洋堂では、そんな「キャラの立った」存在である風神雷神を、お手元で気軽に楽しめるPVC製完成品としてフィギュア化。
オリジナルの活き活きとしたポーズ、力強い手足の肉付きを忠実に写し取りながら、屏風絵全体から感じられる奥行きもイメージした立体物へとアレンジしています。
風神雷神のキャラクターを特に際立たせているのが、角を備え、獣のようにとがった耳、大きく裂けた口から覗く歯に正面を向いた丸い鼻という魁偉な風貌。太めの描線で描かれた顔の細部は、元絵の雰囲気をそのままにしながらリアルさも加えて、より細かいディテールで作り込んであります。
大きく捻りを加えた雷神の右手右足や、宙を蹴って疾走するような風神の足先といったポージングは、力強さを生むデフォルメと骨格のデッサンを両立。絵では見えない背面にも、髪、帯、腰布のなびき、筋肉の盛り上がりまでしっかり造形してどこからでも鑑賞できるようになっています。
それぞれの足元に広がる雲は、原画では銀泥と墨で描かれたもの。その質感も表現した塗装に、湧きたつような流れの造形で風神雷神の顕現を演出しています。また、屏風の背景となる金箔の空間を意識した台座まで含めて、日本画独自の作風をフィギュアで楽しめるように作り上げました。
可動フィギュアやカプセルフィギュア、さらにはこの俵屋宗達の作を模写した「尾形光琳筆 風神雷神図屏風」など、これまでにも数多く「風神雷神」を立体化してきた海洋堂が、最新アップデートとして挑んだ「国宝 風神雷神図屏風」公式フィギュア。日本画の真髄と進化した立体造形のコラボレーションをお手元でお楽しみください。
