タケヤ式自在置物に新たな風、西洋甲冑の最高峰に竹谷隆之が挑む!
■タケヤ式自在置物の最新作は、15世紀に作られた代表的なゴチック式フィールドアーマー。そのデザイン要素を、造形総指揮を担当する竹谷隆之が再解釈、リデザインし、海洋堂が誇る独自のアクションフィギュアシステム=リボルテックと融合、昇華させました。
■15世紀ゴチック式フィールドアーマーの特徴である、波形に盛り上がった装甲表現の模様、花を模した腋当などの強度を高めつつもデザイン的な美しさを併せ持つスタイルを緻密なディテールにて表現。肘や爪先、大腿部を保護する装甲である草摺(くさずり)も、ゴチック式の特徴である鋭角的な形状にこだわって立体化。
■ゴチック式フィールドアーマーがどのように着脱されていたのかが理解できるベルトや内側に着込まれたチェーンメイル(鎖帷子)などもディテールされており、重厚な外観かつリアリティのある表現となっています。
■もうひとつの特徴である兜は、当時の甲冑の考証に準じた形状で造型。丸みをおびたヘルメット型の形状、後頭部や頸を保護するために後方に伸びた錏(しころ)など、ゴチック式らしい形状で造型。また、目視確認時には上げ、戦闘時には防御のために下げるバイザー型装甲は可動式。
■フィールドアーマーは、それ自体が相当な重さであり、重量軽減のために盾は装備せず、武器は、敵に対し甲冑の上からダメージを与えることができる重量のある武器を使用していました。それら時代性や運用に則した、両手剣、メイス、そして一般的な剣の3種類をセット。武装を持ち替えるためのハンドパーツも付属しています。
■肩当や草摺はポージングの妨げにならないよう、軟質素材を使用。肩当部分は、両手剣を大きく構えても干渉しない構造となっており、重厚な外観のイメージそのままに、剣やメイスを振るう躍動的なポージングも可能。
■カラーリングは使用当時の、磨き上げられたシルバーと内部に着込んだ服なども塗り分けられた「着彩バージョン」、年月を感じさせる重厚さをイメージした「青銅バージョン」の2種をラインナップ。
【ゴチック式フィールドアーマーとは】
いにしえのヨーロッパの戦場において、騎士たちの身を守るための軍装として進化していった西洋甲冑。彼らが戦いの中心であった中世が過ぎ、鉄砲という新しい武器が戦場に採り入れられた結果、中世後期(15世紀)には騎士の戦力的な価値は大きく下がっていました。そんな騎士の時代の末期に登場したのが、金属板で全身を覆うプレートアーマーと呼ばれる西洋甲冑です。当時のプレートアーマーは、戦闘用と騎馬試合用などに分類され、戦闘用は「フィールドアーマー」と呼ばれていました。フィールドアーマーは、使用者によって職人に発注されるワンオフモデルがほとんど。その中で生産が盛んであったドイツのゴチック式モデルは、刺々しい外観の様式が特徴であり、使用する騎士の依頼でさまざまな形状のものが作られました。西洋甲冑の最終進化形とも言えるプレートアーマーの中でも、美しさと機能性を併せ持ち、「西洋甲冑と言えばこの形」と言われるほどの存在として世界に知られています。
©️ 竹谷隆之・山口隆/KAIYODO