商品検索
海洋堂によるフィギュア製品の開発記や広告・商品リリースでは伝えきれない薦めポイント、最新情報&裏話をチラリとお見せする号外コーナー
ラインナップの対象は地球上の全生命。
立体百科事典リボジオ第2弾「アカテガニ」のレビューをお送りします!
生き物造形のオーソリティ、松村しのぶの造形総指揮による
リアルという以上に生命の魅力を捉えたフィギュア。
第2弾として登場するのが、このアカテガニです。
えっ!? 第1弾のダイオウサソリに比べると、カニではインパクトに欠ける? いえいえ。
自然が生み出したデザインの美しさ、面白さでは、まったく引けを取りませんよ!
しかし本体の紹介の前に、パッケージもご覧いただきましょう。
リボジオのコンセプト通り、事典風のブック型ボックスとなっています。
頁をめくる感覚でフタを開けば、標本のようにアカテガニが納められているんです!
(実際の製品では、固定用のワイヤー、保護ビニールなどがかけられています)
では改めて本体を!
たとえば背面からの見た目は、アカテガニの重要ポイントのひとつ。甲羅にはニッコリ笑った顔のようにも見える、ユニークな凹凸があります。
身体を起こして歩く姿を立体化しています。平らなイメージのあるカニの胴ですが、こうして横から見るとアカテガニでは三角形の断面をしていることが判ります。
細部もとことんこだわった仕上がりとなっていますよ。名前にあるとおりハサミの艶やかな赤は、美しいグラデーションに目を惹かれます。白い先端部分の透明感にもご注目ください。
甲羅の色はハサミと同様に赤いものなどいろいろなタイプがいるようですが、深い緑色に黄色の混じった派手な配色を選択。甲羅の端のがスパッと滑らかなのが、よく似た種のベンケイガニと見分けるポイントだそう。
複雑に折りたたまれた爪を備える口元は、なんとも不思議な構造です。
裏返した胴体の下側をみると、分割された腹節が幾何学的な美しさを見せます。胴体だけでも部分によってそれぞれ全く違った様子になっているのが判りますね。
ここで改めて、全体のサイズを測ってみましょう。脚から脚までの幅は約15センチで、実際のアカテガニの倍ぐらいのサイズ。拡大スケールだからこそ、細部の観察も本物以上に詳しく見ることができるんです。
ワキワキとした脚も、カニの大きな特徴。4対の歩脚は、フィギュアとしての美しさ・安定性を優先して無可動仕様。
そのぶん、薄い形状、尖った足先までシャープな造形です。
しかし可動フィギュアであることもリボジオのコンセプトですから、大きな鋏脚は前に突き出したり、上に振り上げたりと、動かしてお楽しみいただけます!
分解してみるとこんな感じで、片脚ごとに4個のジョイントを使用。ジョイントの入れ方や節と節の重なりも、カニらしい可動範囲が再現できるよう工夫されています。
もちろんハサミの開閉も可能。
あくまでリアルなカニの構造を再現することにこだわった可動なので、不自然に伸ばしたりすることはできませんが、動かしているうちに「なぜこの動きなのか」という生き物の合理性が見えてくると思います。
餌を捕らえて口元へ運ぶという鋏脚の機能、カニの生態を想像しながら遊んでみてください!
また鋏脚を畳んだ状態にも、自然が生んだデザインの見事さが盛り込まれています。
鋏脚の関節を深く曲げていくと、このように胴体にぴったりと密着した状態に!
大きな鋏を胴体に沿わせることで、狭い隙間などに潜り込むことができるんですね。
眼柄(がんぺい)という独特の構造をもつ眼も、それぞれがジョイントで可動します。
周囲を見渡すときにはぴょこんと飛び出させて視界を広げ、隙間に潜るときには鋏と同様に甲羅に収納できるという構造。
どんな世界が見えているんでしょうか。
カニの見ている世界を少しでも知るべく、自然の中に連れ出してみました!
アカテガニは陸生で、普段は川の近くの土手、森の中などにいることが多いそうです。
とはいえ水辺もやっぱりよく似合います!
実際のアカテガニの倍ほどというサイズは、ちょっとしたペット感覚でも楽しめます。
リボジオ第2弾「アカテガニ」は6月25日発売予定! 可愛がってあげてくださいね。
©KAIYODO
-構成・文・写真/ TAC☆-
■仕様
PVC&ABC製塗装済み完成品
■サイズ
全幅:約140mm/全高:約73mm(甲羅までの高さ)
■可動部位
全10箇所
■使用ジョイント
8mm×6個 6mm×4個
■可動加工
大津敦哉
■製作総指揮
松村しのぶ
■原型制作
山崎太久也
■製作総指揮
製作総指揮:松村しのぶ
価格¥7,344(税込)
発売時期:2019年06月25日発売