自然の中の生き物を描き出す海洋堂入魂の大型アートスタチュー
カプセル、可動フィギュア、ソフビなど、海洋堂がこれまでにも様々な形で立体化してきた、地球上の生物たち。新たに本格アートとしての鑑賞にも耐える大型のスタチューで、あらゆる生物をテーマにお贈りするシリーズ「Nature Tales」がスタートします。生物造形の第一人者、松村しのぶが造形総指揮として中心になり、他も海洋堂が誇る原型師陣がその腕を振るいます。最初のラインナップとして、水棲の大型哺乳類であるクジラの仲間たちをテーマにした3体を順次リリース!
いずれも40センチクラスの見ごたえあるサイズに加えて、その大きさでのリアル感を計算した精密な造形やプロフィニッシャーが手掛ける塗装による質感は、モチーフとなった生物が暮らす環境まで目に浮かぶような仕上り。繊細な塗装を施した本体を大切に扱っていただくけるよう、綿製手袋が付属。それぞれ数量限定での発売となり、木彫の台座と封筒入りの認定書にはシリアルナンバーと共に、作家のサインも入れてお届けします。
ザトウクジラ親子
全長13~15メートルほどにもなるザトウクジラは世界中の海に生息しており、集団ごとに独自の旋律を持つ求婚の歌を謡うことでも知られます。「Nature Tales」では、仔クジラと寄り添うような親クジラのゆったりと泳ぐ姿を立体化。特徴である長く大きな胸ビレのシルエットや、上顎の上面から下顎の側面にかけてフジツボに覆われた突起などをじっくりと観察できるアングルとなっています。日本近海では暖かい小笠原諸島や沖縄の南西諸島を繁殖地として冬季に出産し、仔クジラが数千キロの長旅に耐えられるぐらいに成長する春先になると餌の多いであるベーリング海などの北方へと旅立つのですが、この子育て期間を親クジラはほとんど飲まず食わずで過ごすといわれており、皮下脂肪の減ったスマートな雰囲気も造形で表現してあります。
松村しのぶの造形コメント
ザトウクジラは大型のナガスクジラ類の仲間でも特徴的な種類の一つです。コブが並んだ顔や長い凹凸のある胸ビレ、幅広い尾ビレなど形状だけでなく、個体によって大きく異なる白い模様もまた個性的です。
体の各所にある突起は顔の皮膚の凹部とヒレのフジツボなどが寄生した箇所との違いを造形してあります。体表にも細かい傷跡がついていますが、並んで泳ぐ仔クジラはまだ若く表皮の滑らかな感じに。ナガスクジラ類特有の腹側の畝は餌をとる時に大きく広がりますが、通常はこのように喉にぴったり収まっています。
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