香港出身の作家、Steven Choi (スティーブン·チョイ)による物語、Zu&Pi(ズーアンドパイ)第4弾!
文学好きの方ならカフカを知らない人はきっといないでしょう。
彼の物語の裏側には多くの悲哀、苦難、孤独があります。
彼の作品から強い精神を感じ、命に対しての考えを学ぶことができるでしょう。
現在の私たちはパンデミックや急速な時代の変化に人々はこれまでに感じたことのないプレッシャーを受けています。
お金を稼がなければ家を買えない、夢を実現できない、何年たっても生活がただ空虚なものに思えてしまう・・・などと。
何度も、そして多くの経験の中で、挫折したり後悔したりします。
多くの曲折を経て、傷はかさぶたになり、そしてその痛みが残ることによって、また一歩自分自身に近づくことができます。
Zu&PiフィギュアコレクションVol.4では、そのような人々の人生や心にあるものをスティーブンの世界を通して、「音楽」をイメージコンセプトに幻想的な造形と塗装で表現しています。
1.Elephant’s tear ~象の涙~
時の初め、パイは時の旅人、無限の時間の中、魂のかけらを探し求めます。
リンゴは愉快なゾウ、いつも小鳥と一緒でした。
しかし、飛ぶことができる小鳥はあるときその飛べる自由を知り、夢中になってしまいました。いつも一緒にいたふたりはお互いに心の穴を埋めようとするのですが、ゾウの目には決して乾くことのない涙が一粒残ります。悲しみはこのようにして生まれたのです。
2.Fix me ~水に浮かぶ月~
私たちがまだ子供なら、時が始まるところにとどまり、共に不朽の名作に耳を傾けながら大人になるまで待っていることができるかもしれません。
しかし、多くの場合、人は不慣れな道を、不慣れな景色と不慣れな音楽とともに歩かなければなりません。
ふとした時にようやく、一生懸命頑張っていたものがいなくなってしまったことに気づきました。
3.Now is good ~相合傘~
「愛は、お互いに相手を見つめることではありません。互いに同じ方向を向くことです。」
―『人間の大地』サン・テグジュペリ
4.Loneliness ~暗闇が怖い~
幼いころ私の家庭は貧しく、恥ずかしながらクレヨンひと箱すら持っていませんでした。
ある時、絵画コンテストに参加したいと思い、クレヨンを買っても良いか母に尋ねましたが、理解してもらえませんでした。それどころか会話をしているうちに母は手を痛めてしまったのです。更にはその日は母の太陰暦の誕生日、それは後になって分かったことでした。
それ以来、私は自分の考えを人に話すのが怖くなりました。
長年に渡り、この夢を見てはいつも暗闇に落ちていく気持ちになりました。
誰も私がなぜコンテストに参加したかったのか、知る由もありません。
絵が好きだったことはもちろんですが、私はただ、そこで賞を取り賞金で家族を助けたかったのです。
これが‘Loneliness’の物語です。
5.Every cloud has a silver lining ~0(ゼロ)と1の間~
私たちは人生の長さを比較することはできますが、その意味を測ることはできません。
多くの場合、考えすぎるがために、人生をより複雑なものにしてしまいますが、失望や後悔を味わうたびに、心を決め逆境に立ち向かう勇気が湧いてきます。
このフィギュアの中のリトルホワイトも割れた電球の中で諦めず可能性を探し続けるのです。
6.The garden of sorrows ~悲しみの誕生~
悲しみが私の居所だとしたら、笑顔や涙が全部いりません。
そこで自由に行き来することになれたのですから。
7.the end of all our exploring ~バラの名前~
「どんなことがあっても、枯れた花びらをこっそり隠しても、純真な心を忘れないでほしい。
足元の大地が荒れた海に変わってしまったとしても、本当の事だけは無くならないことを願っています。」
表面的なことだけで結論を出すことはできません。その背後にある要因や真意を考えなければなりません。
そのバラの名前が変わっても、それでも変わらず香しいように・・・。
8.Nesnesitelná lehkost bytí ~生命の重さ~
この世に永遠に触れ合うことのできないパートナーがいるとしたら、それは月と太陽かもしれません。
はるか昔、惑星が誕生し、太陽が空に現れ、暗闇の世界を明るく美しく照らしました。
鮮やかな輝きを放ち、次々に生まれる炎に溢れた太陽。
次に神は月を創り、太陽は月が生まれたその時から、月を深く愛すようになりました。
同時に神は闇夜も創り、闇夜も同じくして月を深く愛すようになったのです。
愛ははかない花火のようなものです。
永遠の命を創造することも、不滅の愛を創造することもできません。
現代に生きる私たちの中で、誰が困難な約束や契約を守り通せると誓える人がいるでしょうか。人々はいつも、もっと良い人間でありたいと努力しています。
共に過ごした寒い冬、今でも心に残っています。
愛のカタチが無数にあるとして、闇夜が続くのではなく、満月のやさしさに包まれるのです。